生卵ダイエット」ってアリ?ナシ?気になるカロリーや効果的なレシピとは

リンゴ、バナナ、キャベツ、ダイエットドリンクなどなど、一日の食事の一食を低カロリーな食べ物だけにする「置き換えダイエット」には、実にさまざまなものがありますが、「生卵ダイエット」という言葉を最近聞くようになりました。

「生卵をゴクンと飲むのは抵抗があるんだけど」「ゆで卵よりも生卵のほうが良いの?」「そもそも卵ってコレステロール高いんじゃないの?」…といった疑問の声がいくつも聞こえてきそうです。

まずは「生卵」の特性を見つめ直しながら、「生卵ダイエットはやる価値があるか否か」について紐解いていきましょう。

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「生卵」のメリットは?

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Lサイズ(殻を除いて正味60g)の卵1個のカロリーは、調理別に以下の通りです。

  • 生卵…約90kcal
  • 半熟卵・温泉卵・ゆで卵…約91kcal
  • だしまき卵…約100kcal
  • スクランブルエッグ…約108kcal
  • 目玉焼き…約117kcal
  • オムレツ…約130kcal

当たり前のことですが、調味料や調理用油を使うほどにカロリーは高くなりますから、生卵のカロリーが一番低く、また、気になる糖質も生卵(Lサイズ)1個あたり「約0.2g」と非常に低糖質です。

生卵の成分

生卵の全重量は、卵白が57%、卵黄が32%に分かれています(殻は11%)。

その成分の大部分がタンパク質で、ビタミン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、鉄、ナイアシン、炭水化物、脂質などを含んでいます。

卵白はほとんどタンパク質で、その他の栄養素は卵黄に含まれます。

アスリートやボディービルダー達が、低カロリーの卵白や鶏のささみを食べることでタンパク質を摂取し良質な筋肉をつくる、という話は、健康志向の方やダイエッターの間では有名ですよね。

完全栄養食品

生卵は、よく「完全栄養食品」と称されるほど、良質なタンパク質やビタミン、ミネラル、脂質などの栄養素がバランスよく1個にギュッと詰まっています。

【卵のタンパク質パワー】

生卵のタンパク質は、アミノ20種類ものアミノ酸から形成されています。中でも、人の身体では合成することができない必須アミノ酸9種(メチオニン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、イソロイシン、ロイシン、バリン、トレオニン)をすべて含んでいます。

【豊富なビタミン&ミネラル】

生卵には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸などのビタミンと、カルシウムや鉄などのミネラルがたっぷり含まれています。

ダイエットのサポート成分

このように、生きていく上で欠かせない栄養素を豊富に含む生卵ですが、さらにもっと嬉しい、ダイエットに適した成分も含有していることをご存知ですか?

【メチオニン】

必須アミノ酸の一つで、血液中のコレステロール値を下げて体内の酸化をブロックする働きを持っており、アンチエイジングに役立つと注目されてる成分です。

【リパーゼ】

脂肪を分解する酵素の一つで、食物中の中性脂肪にくっつき、脂肪を燃焼するパワーを持っています。

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加熱すると栄養価は損なわれるの?

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生卵をそのまま食べることに抵抗がある方は結構いらっしゃると思います。

例えば「ゆで卵」にしたら、加熱によってその栄養価はグンと減ってしまうのでしょうか?

答えは、「NO」です。

熱に弱いビタミンB群や、タンパク質は少し減少してしまいますが、基本的に大きな差はそれほどありません。

むしろ、加熱したほうが生卵よりも消化に良いので、胃腸に自信のない方は加熱することをオススメします。

ただし、塩やしょうゆなどをかけすぎると塩分の摂り過ぎで身体がむくみやすくなりますから、できるだけ薄味で食べることを心掛けましょう。

また、オムレツや目玉焼きなど油で調理した卵料理は、カロリーが高くなるだけでなく酸化しやすい性質があるため、加熱する場合はノンオイルで調理しましょう。

置き換えダイエットで卵を使用する際は、カロリーが低い「ゆで卵」「半熟卵」「温泉卵」をオススメします。

なお、生卵に含まれている細菌を溶かす溶菌酵素である「リゾチーム」は、加熱によって失われてしまうため、ゆで卵は生卵よりも保存期間が短くなってしまう、という点にご注意ください。

一日何個までOK?

卵はコレステロールが高いというイメージがあり、「一日1個」と考えている人が多いのではないでしょうか。

しかし、最近の研究では、コレステロールの一部は健康な身体を維持するために必要な成分であることが明らかにされてきています。

日本人は血中コレステロールが低いせいで血管が弱くなり、脳卒中にかかりやすいという論文が研究機関から発表されています。

もちろん、コレステロールを多く摂り過ぎると、生活習慣病の恐れが高まりますので、限度はあります。

これらをふまえた上で、健康な人は、一日2~3個までなら卵を食べても良いと言われています(動脈硬化などの病気を抱えている人は控えてください)。

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生卵のリスク

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ここで、生卵が持つ危険性のリスクについてご説明しましょう。

生卵の卵白には、「アビジン」という物質が含まれていて、大切な栄養素の一つである「ビオチン」の吸収を妨げてしまうという性質があります。

ビオチン欠乏症になると、顔に吹き出物ができたり抜け毛や貧血を起こす恐れがあると言われ、例えば、生卵を10個飲んだ場合、顔色が悪くなり吐き気が出ることもあるそうです(実際に、生卵の過剰摂取で薄毛・ハゲになった…という声も)。

少しの加熱でも成分の構成は変わりますので、白身は加熱調理して食べましょう(半熟でOK)。

たまごかけご飯やすき焼きの時は、黄身のみで食べることをオススメします。

サルモネラ中毒にも注意

サルモネラ菌は、人や家畜の腸内、河川や下水など広範囲にわたって生息している細菌です。

人が感染する原因は、食肉や卵によるもので、特に生卵が原因で食中毒になる事例が多く見受けられます。

サルモネラ菌は、10℃以上で発育し、20℃以上で増殖しやすくなるため、生卵は必ず冷蔵庫で保管し、賞味期限が切れたものは食べないようにしましょう。

特に、妊娠すると免疫力が低下して感染しやすくなりますので、妊娠中は特に生卵は避けた方が安全です(免疫力が弱い子供も同様に要注意)。

サルモネラ菌は、75℃で1分間以上、または65℃で5分間以上加熱すると死滅しますので、加熱調理することを、ここでも再度オススメします。

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卵の選び方にこだわりたい

鶏肉

どの食材にも言えることですが、口から入って体内に吸収されるものですから、購入する際には十分注意して見極めたいものです。

特に卵を選ぶ時は、地域性や鶏が育つ環境にもこだわると良いでしょう。

元気な鶏ブランド

下記は、放し飼いでのびのび育てられ、安全で美味しい卵だと評判の地鶏や養鶏場のごく一部です。

  • 水郷のとりやさん(千葉県香取市)
  • 丸一養鶏場(埼玉県大里郡)
  • 自然養鶏&放し飼い 春夏秋冬(神奈川県小田原市)
  • 七谷地鶏(京都府京都市)
  • 土佐ジロー(高知県安芸市)
  • やぶさめファーム(鹿児島県いちき串木野市)
  • 黒岩土鶏(宮崎県宮崎市) など

赤玉と白玉の違いは?

卵の殻の色は「白玉」と「赤玉」があり、赤玉のほうが比較的高額なものが多いため、赤玉の方が栄養価が高いイメージがありますが、実際はどうなのでしょう。

殻の色の違いは、ズバリ、「鶏種の違い」です。

羽毛の白い鶏は白玉を産み、羽毛が褐色または黒っぽい鶏は赤玉を生む…という単純な違いです。

そして、意外なことに栄養価はどちらも同じなのです。

赤玉を産む鶏の方が産卵数の割合が少ないことが、価格に影響しているようです。

しかし、あまりにも安価で販売されている卵には、多少なりともリスクがあります。

安売り卵のリスクについて、次の項で説明していきましょう。

安全な卵=健康的に育った鶏

至極当たり前のことですが、健康な鶏から生まれた卵は、栄養価がたっぷり詰まっていて旨みが深く、フレッシュそのものです。

現在、鶏の飼育方法は、「ケージ飼い」か、自由に歩き回れる「平飼い(放し飼い)」の2つの方法に分けられます。

スーパーに並ぶ安価な卵は、ケージ飼いが大部分を占め、しかも卵を得るためだけに檻に入れて飼育する「バタリーケージ」での飼育がほとんどです。

バタリーケージ飼育の鶏は狭い檻に詰め込まれ、まるで満員電車のような劣悪な環境下で卵を産まなければならず、鶏には過度なストレスがかかります。

さらに、メスの鶏は飢餓状態になると産卵を止めて羽がほとんど抜け落ち、羽毛が生え始めたときにまた卵を産む能力が戻るという「換羽(かんう)」という性質がありますが、この鶏のサイクルを利用して、10日~2週間、わざと餌を与えない養鶏場が多いそうです。

これが、人間の愚行ともいうべき「強制換羽」というやり口です。

強制的に飢餓状態にし、強制的に羽を抜け代えさせるを強行することで卵をたくさん産めるように仕向ける、という何ともむごい手段です。

中には餓死する鶏もいるそうで、病気にもなりがちな鶏のエサには薬剤が混入され薬漬けである、という話もあります。

また、衛生的にもあまり褒められた環境ではなく、平飼いの鶏に比べてサルモネラ菌の汚染が高いため、必要以上に殺菌剤が散布されているケースもあります。

現在、バタリーケージ飼育を排除する活動をしているNPO団体もあるほど、問題は深刻化しています。

卵は、信頼できる販売店で、生産元がきちんと表示された商品を選びたいものです。

黄身は鶏のバロメーター

テレビでご覧になったことがあるのではないでしょうか。

エサを十分に与えられ、放し飼いでのびのび育った鶏が生んだ生卵は、お皿に割り入れるとしっかりした土台の白身の上で黄身がこんもりと盛り上がり、黄身を箸でつまんでも割れない…といった具合です。

黄身につまようじを刺してみると、健康な卵の黄身は弾力があってつまようじがピンと立ちますが、バタリーケージ飼育による安売りの卵の黄身に刺したつまようじは倒れてしまいます。

ちなみに黄身の色は、鶏が食べたエサの色によって変わりますので、栄養価とは関係ありません。

鶏は、主にトウモロコシを食べているので、黄身の色は薄いレモン色が通常です。

生卵を食べるなら日本で

卵かけごはん、すき焼き、月見うどん・そば、つくねの串焼き…生卵は日本の食卓に欠かせない食材ですが、お隣の中国では、生卵を食べる習慣がありません。

もともと生ものを好まず、冷たい飲み物も身体を冷やすから摂取しないよう提唱している中医学(日本でいう漢方)の教えもあって、中国ではビールも温めて飲む風習があります。

しかし、生卵に関しては、それだけが理由ではありません。

中国で販売されている卵の表面には小さな穴が開いていることが多く、細菌に感染している危険性が高いと言われています。

中国に行ったら、生卵は必ず加熱調理して食べるようにしましょう。

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「卵ダイエット」の方法

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では、いよいよ具体的な卵ダイエットについてご説明しましょう(生卵ダイエット改め、「卵ダイエット」とします)

一時期、3食を通して「ゆで卵」を主食とし、野菜や果物と組み合わせたものを2週間ほど集中して実施する、という強硬ダイエットが話題になったことがありましたが、あまりオススメしません。

急に痩せた身体は、それだけリバウンドする恐れが高いからです。

置き換えダイエット全般に当てはまりますが、一日のうち、どれか一食を置き換えるのが良いでしょう。

朝・昼・夜のうち、やはり置き換えたい一番は夜です。

食事の量が一番多いのが夕食ですので、そこをゆで卵2~3個に置き換えるのが有効です。

サイドメニューを加えるなら?

とは言いつつも、ゆで卵だけだと、どうしても口さみしくメンタル的にも満足できませんよね。

そんな時に1~2品加えるとしたら、迷わず「ビタミンC」を多く含んだ食材を選びましょう。

実は、完全栄養食品と称されビタミン含有量が多い卵ですが、ビタミンの中で「C」は含まれていないのです。

ビタミンCが多い食品は以下の通りです。

  • ピーマン(赤・黄)
  • ゴーヤ
  • ブロッコリー
  • ケール
  • パセリ
  • アセロラ
  • キウイフルーツ
  • オレンジ
  • グレープフルーツ
  • いちご
  • 焼き海苔
  • さつまいも
  • レバー
  • たらこ

ダイエット中におすすめメニュー

ちょっとしたアイデア次第で、さまざまな味を楽しめるのが、いろんな食材に合う卵ならではの魅力ですね。

ゆで卵に飽きた時の、ちょっとしたヒントを少しご紹介しましょう。

【ブロッコリーとゆで卵のサラダ】

塩ゆでしたブロッコリーとゆで卵を食べやすい大きさに分けて、少量のマヨネーズであえる(アクセントに、茹でたエビを乗せても)

【タラコの卵焼き】

溶き卵に皮を除いたタラコを入れて混ぜて、卵焼きを焼く要領で焼く

【スクランブルエッグ・パセリのせ】

少量の塩コショウ・牛乳を加えた溶き卵でスクランブルエッグをつくり、仕上げにパセリのみじん切りをのせる。ちぎった焼きのりをかけても美味

【シンプルゴーヤチャンプルー】

ワタを取ってスライスし、水にさらしたゴーヤと水切りした木綿豆腐を炒める。溶き卵でとじ、しょうゆで味付け。鰹節をトッピングして出来上がり

【オムレツ・カレー味のピーマンソテー添え】

オムレツのサイドメニューに、ピーマン(赤・黄)の細切りをオリーブオイルで炒めてカレー粉・塩で味付けしたものを添える

★飲み物は、ビタミンCたっぷりの「青汁」「アセロラジュース」「グレープフルーツジュース」「キウイのスムージー」などをオススメします。

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卵ならではのレシピ●今昔

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卵だからこそできるメニューで、「昔から語り継がれるもの」「最近ちょっとブームなもの」をご紹介します。

今試してみたい「冷凍卵」

以前、テレビで紹介されてからジワジワと人気が出てきたのが冷凍卵です。

作り方はいたって簡単、生卵を殻のまま冷凍するだけです(ちなみに、ゆで卵を冷凍すると美味しくありません)。

ジッパー付きの袋に生卵を入れて、一日以上凍らせれば出来上がりです(袋に入れないと殻が割れてしまうので注意)。

完成した冷凍卵は、流水をかけながら殻を剝くとツルンと剝けます。

冷凍することによって、黄身の濃厚さが増してクリーミーになると人気ですよ。

【食べ方】

  • 殻を剝いた冷凍卵をアツアツのご飯やうどん、そばにかけて。キャベツなどにのせてレンジで温めれば巣ごもり卵にもなります
  • 殻を割って耐熱皿にのせ40秒ほど加熱すると、ちょうど食べ頃の温泉卵ができます

昔ながらのメニュー「卵酒」

昔から、風邪の引き初めに「卵酒」とよく言われてきましたが、最近飲む人は少なくなってきているようです。

卵酒は、江戸時代初期から作られてきたと伝えられている栄養ドリンクです。

必須アミノ酸が詰まった卵と、血管の収縮を阻害させる「アデノシン」を含み長く身体を温める効果がある日本酒で作った卵酒は、免疫力を向上させ、風邪の治りを早くする強い味方なのですので、風邪薬に頼りたくない人にはうってつけです。

【作り方】マグカップ一杯分

  1. 日本酒(180ml)を鍋で温める
  2. 卵(1個)と砂糖(大さじ1~2)を泡だて器でよく混ぜ、茶こしなどで漉す
  3. 弱火で1に2を少しずつ加えてかき混ぜ、白っぽくなったら出来上がり
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まとめ

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完全栄養食品の卵は、いわば自然の恵みです。

自然の形に最も近い、放し飼いで健康的に育った鶏から生まれた安全な卵を選ぶことが、身体にも環境のためにも大事なことだと言えるでしょう。

ダイエットに重要なことは、「毎日卵だけ」という無理なダイエットはしないで、卵が持つ本来の力を最大限生かせるように、一日2~3個を適量と考え実施することをオススメします。

また、卵に含まれないビタミンは「ビタミンC」ということも頭に入れておけば、食べ合わせるメニューも組み立てやすいですね。